星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】





この度は
Ansyal FCにお申込み頂きまして
有難うございます。


下記期日までに
下記の受付番号で
お近くのコンビニから
オンライン決済にて
入金手続きをお願いします。


オンライン決済番号。
×××××××××××。



Ansyalオフィシャル
ansyal_fcinfo_@xxx.com







携帯とお財布を握りしめて
もう、寝静まったお祖父ちゃんたちの寝室を
そーっと歩いて玄関から外に出ていく。




夏を告げるような生暖かい風と熱風が頬を撫でる。





自宅から歩いて、数分の距離にあるコンビニで
メールで伝えられた11桁のオンライン決済番号を伝えると
簡単に支払手続きが出来た。




さてっ。


これで今年のFC旅行も参加できる。




……託実……。



イベントで勝ち残ったら
大きくなってる
私の気持ち……伝えてもいいですか?




伝えたら、
やっぱり迷惑ですか?




そんな疑問に
答えてくれる声は存在しない。




見上げた空には星がいっぱい広がってて
時折、流れ星が筋を描く。




『託実が私を見てくれますように』






場違いかも知れないと思いながらも
願わずにはいられない願い。





流れ星は叶えてくれるのかな?







暫く、立ち止まったままボーっと見つめ続けた星空。






見上げ続けた星空は
無限の可能性を秘めたかのように
キラキラと輝き続けていて
柔らかな光で空から
見守ってくれてるみたいだった。


星空を見つめていた私は、
少し痛くなった首をさすりながら
携帯に視線を向ける。



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