愛してるの伝え方
「わっと…ミヤちゃん?」

やっぱりいつもよりテンションが低い。
同じことを言っていても違う。

「あの、瀬戸くん。
怒ってますよね。余計なことしてごめんなさい」

私が謝ると、瀬戸くんはあたふたし始めた。

「ミヤちゃんは悪くないよ! 俺の気がきかなかったのがいけないんだ。
…そりゃ、俺みたいなのといきなり二人は嫌だよね」

「何を言ってるんですか?」

「え?」

「瀬戸くんが私と二人じゃ楽しくないと思って、藤岡さん達と合流しようと思ったんですけど」

「え? ミヤちゃんは俺と二人でもいいの?」

「別に構いませんけど。君がそれでいいのなら」

瀬戸くんはにこやかに、嬉しそうに笑った後、私の手を掴んだ。

「雄一! 悪いけど今から、俺とミヤちゃん二人で回るから!」

グイと手を引かれる。
瀬戸くんは藤岡さんと橋本くんを置いて、人の波に流されていく。
瀬戸くんが手を離さないから、私もそれに巻き込まれていった。

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