愛してるの伝え方

「ごちそうさま。待たせてごめんね。
さて、そろそろ回ろうか」

たこ焼きを食べ終えた瀬戸くんがゴミを捨ててニコリと笑った。

「口の周り、ソースついてますよ」

「え!?」

持っていたポケットティッシュを渡すと、瀬戸くんは恥ずかしそうに口元を拭いた。

「とれた?」

「はい」

彼は照れ笑いをしながら私にポケットティッシュを返却。



その様子を見ているだけで自然と笑みが零れた。

……そうか。
瀬戸くんが何かに似ていると思ったら、おばあちゃん家で飼ってる犬だ。
尻尾振って私の方に駆け寄ってくる姿がそっくり。


「ミヤちゃんヨーヨー釣りしようよ!」

「勝負ですか。言っておきますけど、負けませんから」

「なんでそんな臨戦態勢!?
俺だって負けないから!」

「吠え面かかせてやりますよ」

この間テストで負けたところだ。もう負けたくない。

私達はヨーヨー釣りを探して歩き始めた。

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