世界一遠距離恋愛
「いたー!多数の目撃証言により超美少女を誘拐した変態男発見!美少女も無事の模様!」
空がいつの間にか夕暮れに染まる頃、花奏が迎えにやって来た。何らかの実況の真似をしている。
「そこの変態スケベ野郎!その美少女から離れなさい!逃げ場はないんだぞ!」
「さっきから思ってたんだけどさ、俺完全に逮捕される方向じゃね!?」
「花奏、助けて!この人なんか変!」
「ノるなよ絵里子!俺の味方してくれよ!」
「病院の人達が透が可愛い女の子となんだか良い感じになってるって噂を聞いて駆け付けたんだけどぉ?詳しく話を聞かせてもらおうか、透くぅん?」
「ははっ、まぁあながち間違っちゃいねぇよ、な?絵里子。」
「…うん!透!」
今、あたしの中では恥ずかしさよりも透と両想いで、恋人同士になれた事が嬉しかった。だから名前も堂々と呼べるし自分から抱き着く事も出来る。
「ちょっ…絵里子!?貴女透に洗脳でもされた!?…透、覚悟してなさい?」
「えっ、ちょっ、待て、俺患者…いってぇぇぇぇぇぇ!」
花奏が透にお決まりの飛び蹴り。…よく見る光景が目の前で繰り広げられていた。
それにしてもあたし…今日は予想外に色んな事を頑張ってしまった。これだけ頑張れたのは透の事が好きだから。…あたし、今とっても幸せですっ!
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