無理して笑うな











会いたかったのか会いたくなかったのか




悠斗の声を聞いて、顔を見た途端



笑顔を見た途端






そんなこと自分の胸の音のせいで、考えなくても分かった。






「会いたかった…」





恥ずかしそうに、真っ赤な顔をしてそう言った悠斗の声を聞いて、あたしは驚いて悠斗の顔を見上げた。





「え…」





悠斗はちらっとあたしの目を見たけど、すぐにそらして壁を見る。




耳まで真っ赤にした悠斗をあたしはまじまじと見つめた。





「だから、会いたかった。こんなこと言うの恥ずかしいけど、さ…」






「あ、あたしも…!」




あたしは気づかない内に口をついて出た言葉に自分でもびっくりした。




でもなりふりかまってられない。





「前はごめんね、あの…。話の途中だったのに逃げ出して…」




悠斗は少し目を見開くと、コンサートの後のことを思い出したのか「あぁ」と声をあげた。





「唯が謝る必要ないだろ。」






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