無理して笑うな
「いらっしゃい!唯に蓮君まで!」
いつものように裏口から入ってきたあたし達をお兄ちゃんと大介さんは笑顔で迎えてくれた。
「はは、毎度毎度アイドルは大変だねぇ。ゆっくり休んで行けよ。」
あたし達は2人にお礼を言うと店の1番奥に座った。
店はまあまあ広く、晩ご飯の時間というのもあって人で混み合っている。
もう少ししたら並ぶ人もで始めるだろう。
「平日でこんなに混んでるって弘樹君もすごいなぁ。」
蓮はハンバーグを食べながら言った。
「達也達置いて来ちゃったけど大丈夫かな?」
「大丈夫だろ。あいつらも晩ご飯ぐらい自分達でどーにかするさ。」
あたしは頷きながら携帯を覗くと突然消えたあたし達を心配してか、3人から何通もメールが届いていた。
あたしはそれを見て苦笑いする。
それに気づいて自分の携帯を確認した蓮も思わず声をあげて笑った。
「あいつら心配しすぎだろ!
斗真なんかさらわれたんじゃないか?って言ってるぞ。」
「全く同じこと言ってる。もー大げさなんだから。」
全員にメールを返すとあたしは気にせず食べ続けた。
そのとき、隣の席からじっとこちらを見ていた大学生ぐらいの女性2人が声をかけてきた。
「あのー、もしかしてBlueSkyの唯ちゃんと蓮君??」
あたし達は手を止めると顔を見合わせた。
…さて、どうしたものか。