無理して笑うな

〈唯said〉


生放送が終わった。



その瞬間あたしの足は言うことを聞かなくなった。




「お疲れ様でした〜」




と言う声が行き交う中あたしは立てないでいた。



それどころか視界がどんどん狭くなっていって何も見えなくなる。




「リーダー!お疲れ様。とりあえず立とう。」




生放送の前から熱があることを知っているメンバー達が気遣ってくれる。



斗真があたしの肩に手を回すとそっと立ち上がらせた。




「ごめん、斗真。…何も見えない…」




「大丈夫。ゆっくり、ゆっくり歩いて。あ、そこ段差だよ。」




斗真とは反対の方から達也の声が聞こえるがあたしの足は前に踏み出すことが出来ない。



次の瞬間、あたしは誰かに抱き上げられた。



背中と膝のあたりに誰かの温もりを感じる。




「リーダー、危ないから首に手まわして。」




どうやら抱き上げたのは斗真のようだ。



あたしは斗真につかまる。




「お疲れ様。よく頑張ったね。」




隣から蓮が声をかけてくれる。




「…ありがと。生放送だからね。」






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