Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
魁さんや兄さん達と移動していたのだから、怪しい所じゃないのは分かっているけれど……
その魁さん達の姿は、どこにも無くて。
───ここ、日本……だよね?
部屋の豪華さに、一瞬、ホテルかも? って思ったけれど、それは無いと直ぐに否定した。
だって、視界の端に映ったそれが、ホテルではないと教えてくれているから。
「あれって……」
ふかふかのベッドから足を下ろして、ゆっくりと近づいてみれば
“Welcome マリアちゃん”
テーブルの上に置かれていた可愛い花束と、ホワイトボードに書かれたカラフルなドデカイ文字に目が点になる。
「……………………」
日本で、私の事を「マリアちゃん」と呼ぶのは限られた人だけ。
その中でも、こんな事をする可能性があるのは“あの人”くらいだと思う。
あの人が居るということは……
此処がどこなのか、分かったような気がした。