Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
ここまで来て止めるなんて有り得ない。
今やめても、いつかまた同じ痛みを経験しなければならないのなら一緒だもの。
そうでしょう?と告げれば
「マリア」
鼓膜を震わすように私の名前を囁きながら、逞しい身体を寄せてくる魁さん。
その彼の瞳を見つめながら、この後にやってくる痛みを覚悟して気合を入れ直したはずだったのに。
「いっ、ぁ……っ!!」
身体を貫く一際強い痛みに、一瞬目の前で火花が散った気がした。
痛くて。苦しくて。熱い。
あまりの衝撃に、溜まっていた涙がぽろりと零れる。
「……っ」
ズクリと鈍く響く痛みに、身体を硬直させてやり過ごそうとするけれど。
無理無理無理───!!
上手く出来ずに、握りしめた手に更に力を込めたら。
「マリア、息をしろ!」
力強く握り返されて気がついた。
「っ、はっ……」
どうやら、痛みを逃すのに必死で自分の息を止めていたらしい。
思い出したかのように空気を吸い込めば、小刻みに震える足から少しずつ力が抜けてくる。
「大丈夫か?」
「な、んとか……」
本当は全然大丈夫じゃないんだけど!
それよりも。
目の前の魁さんが、何かを堪えるように歯を食いしばっていて。
ものすごく辛そうに見えるから、一瞬自分の痛みなんて吹っ飛んでしまった。