Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
空腹を満たした後は旅館の中にあるお土産コーナーで綾ちゃんや修さん達へのお土産を見て回ったり、魁さんが旅館の支配人の男性と話している間に、こっそりとお揃いのキーホルダーを買ったりして。
遅めにしてもらった夕飯は、今日も芸術的な美しさと感動モノの美味しさだった。
そして夜……
昨日身をもって勉強した私は、最初から「魁」と呼んでいたのに。
「煽るお前が悪い」
「煽ってないっ!」
昨夜と全く変わらない状況に慌てふためく。
ちゃんと呼んでるのに、何で!?
その後も身体に触れてくる手と腰の動きは止まらず
「か、い……もう無理ぃ」
「俺も無理」
私の訴えは魁の優しいキスに飲み込まれ。
与えられ続ける甘い快感に、体力の限界を突破した私は今夜も意識を手放したのだった。
その夜(今日も朝方)。
「だから、猛禽類ナメちゃ駄目だって言ったじゃない」
「も、猛禽類…?」
心配そうに語り掛けてくる綾ちゃんの夢を見た。
「本能むき出しのわかりやすい肉食獣と違って、涼しい顔した猛禽類はタチが悪いのよ。警戒する前に連れ去られて、気が付いたら貪り尽くされてるんだから」
気をつけろと言われても、どう気をつければいいの?
魁は婚約者で、そう遠くない未来の旦那様で。
ついでに言うと、結婚したら毎日抱き潰す宣言もされているのですが……
そう伝えれば
「諦めるか、あの男についていけるくらいの体力をつけるしかないわね」
「……………………」
絶望的な答えが返ってきた。
私を抱えて階段を駆け上がっても息一つ乱さない人についていける程の体力ってどんだけ?