Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】


「はぁ~~っ……」


今日も朝から豪華な露天風呂に浸かって、大きく息を吐いた。

昨日に引き続き、本日も全身筋肉痛状態の身体は悲鳴を上げていて。

ゆらゆらと心地良いお湯の中で脱力すると、その痛みも和らいでいく。

昨日は周りの景色を楽しむ余裕もなくて気づかなかったけれど。

ふと目に入った看板に、ここのお湯は特に神経痛・筋肉痛・関節痛によく効くと書かれていた。

うん。今の私にピッタリな効能だ。


あれから目が覚めた後も自分の体力強化方法を延々と考えてみたけれど、結局これといった良い案は思い浮かばなかった。

入院していたから体力が落ちているのかもしれないけれど、それを差し引いても二人の体力には差がありすぎる。

それに、もう一つ気になることが。

初めての時も昨夜も「譲歩する」って言っていた魁が、あれでも抑えてくれていたのだとしたら。


「……………………」


その可能性を考えた途端、熱いくらいのお湯に浸かっているのに身体中に悪寒が走った。

今でさえついていけていないのに、それ以上って。


結論。

彼の体力についていくのは絶対に無理だ。

それこそ、オリンピック代表になれるくらいのアスリート並みにならないと。

それでも取り敢えずは屍にならないように、私に護身術を教えてくれた先生に相談して少しずつでも体力強化に励む事にしよう。

果たして普通の体力強化で、どれだけついていけるようになるのかは不明だけど。


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