氷と魔女《specialstory 完結》
タッタッタッ…


「すいません!」

「えっと……私?」


肩ぐらいまでの真っ黒な髪の毛をした女の子が私の方へ駆け寄ってくる。


「はい!そうです!
あの、失礼ですがお名前聞いてもよろしいですか?」


なんで敬語?
少なくとも私と同い年か先輩だよね…

もし先輩なら失礼だし…ま、同い年でも失礼かな。

「御垣千草と言います」


「へっ⁉︎


あ、あの……!

恐れ大き!すいませんでしたああぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎‼︎」


「…………は?」



女の子はいつの間に集まったのか、大勢の人で溢れかえる所へ戻って行った。


「キャアアア‼︎‼︎氷の魔女‼︎」
「俺の氷の魔女ー!」



「意味不明なんだけど」



「ウオオオオオオオオ‼︎‼︎」

何この人たち…

かなり不気味。意味不明。怖い。


「まあ…明日からお前は空移動で来い。

学園1位となった新入生が見れなかったんだ、みんな興奮してんだよ」

吟がまるでもう慣れたとでも言うような表情を見せた。

「……空移動」

「ちょ、おま、ひきょ…」

吟の言葉が途切れる。

シュンッ

私はSクラスの前に立っていた。


久しぶりにちゃんとした登校をしたと思ったのに…

結局、めんどくさい登校になっちゃった…



私はため息をつきながらクラスの中へと入って行った。

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