忘れた
いきなり話題が変わる。勇介と話していると、よくそういうことがあるのだ。


「あ、うん。26日からだよ」


「そっか、あと5日か。頑張れよ」


頑張れ、か。そうだね、あたしが変わらなくちゃ。


「うん。高校には勇介みたいに、優しい人もいるかもしれないよね。あたし、怖がってちゃダメだ」


そう言うと、勇介は照れ臭そうだった。


「そうだぞ。みんながみんな、中学の奴らと同じとは限らねえよ」


うん、とあたしは頷く。


「俺、高校時代はすっげー楽しかったんだ。戻れるもんなら戻りたいよ。だから、奈緒にも高校時代を楽しんでもらいたい。

一生に1度の青春時代だぞ?」


あたしは、運転する勇介の横顔を見つめた。勇介のおかげで、あたし、頑張れそう。

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