忘れた



「勇介、いくよーッ」


そーれっ、とボールを叩く。あたしの手に弾かれたそれは、大きく弧を描いて勇介の元へと飛んでいく。


「うわッ」


勇介が弾いたボールは、後方へと消えていく。


「もー、続かないじゃんッ」


あたしはふくれっ面をして見せる。


「悪い、俺、バレー下手くそなんだ」


ネットの向こうで、両手を合わせて謝る勇介。


そう、あたしたちは今、バレーボールをしているのだ。


この町の総合体育館が今日開放日とかで、あたしは勇介に連れて来られていた。


アリーナはとても広くて、バレーとバスケのコートが6面ずつ出来上がっていた。


ボールも用意されていて、自由にやって下さい、というわけだ。


家族連れや学生などで、結構人がたくさんいて、賑わっていた。


部活ではいい思い出の方が少ないけれど、バレー自体は好きだった。


久しぶりのバレーは、やっぱり楽しい!


あたしは勇介に駆け寄った。

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