サヨナラなんて言わせない
「・・・・・だ、・・だいじょうぶ・・・・・」

真っ赤に俯きながらかろうじて聞こえる声でそう答えると、涼子は勢いをつけて目の前の卵焼きをガブッと口に放り込んだ。またこんな彼女が見られることが嬉しくて嬉しくて。

「そっか、よかった。じゃあ毎日でも大丈夫だね」

なんてニッコリ、ついからかいたくなってしまう。
予想通り目を見開いてガバッと顔を上げるところまでは想定済み。

「え、えぇっ?!・・・・って、ゴホゴホッ!!」

「ちょっ・・・涼子!大丈夫か?!」

驚きの余り詰まったのか、盛大にむせ始めるのは全くの想定外。
慌てて彼女の後ろに回って背中を摩る。

「悪いっ!調子に乗りすぎた・・・ほら、水飲んで」

苦しそうな顔で水を一気に飲み込むと、涼子はふーーーーっと大きく息を吐いた。

「はぁ~・・・この前から司に殺されそうなんですけど」

振り向きざまにジロッと睨まれる。形勢逆転で今度は俺が俯く番だ。

「っ、ほんとにごめん・・・・幸せすぎてつい・・・・」

「バツとしてしばらくお預けね」

「えぇっ?!!」

悲壮な顔をガバッと上げた俺を見て、涼子は盛大に吹き出した。

「あははっ!反応しすぎでしょ。あーおかしっ」
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