ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
「ありがとうございます。逢沢さん」
「社長、明日も同時刻にお迎えに伺います」
「頼んだぞ。逢沢」
「では、私はこれで失礼します」
「おやすみなさい。逢沢さん」
俺は愛想よく手を振って逢沢さんを見送った。
「浅見たちに正直に話さなくていいのか?」
「いいんだよ」
俺は素気なく返し、コーヒーを飲む。
「今更、正直に話した所で、何も変わらない」
浅見さん達とはこれでお終いまいだろう。
「コーガ・・・」
「達生さんには色々、迷惑掛けちゃって、本当に申し訳ないと思ってる」
「俺は別に・・・」
俳優一筋で頑張って行こうと思っていた俺にアイドルの道を勧めた達生さん。
彼は所属事務所の社長…元アイドルユニット『ダブル』として活躍した白石臨也(シライシリンヤ)さんの甥。
20年前彼もまた『ギャラクシー』に所属していたアイドルの卵で、デビューを夢見ていた。
でも、彼は怪我が原因で、アイドルの夢を諦めた。
俺にアイドルを勧めたのは達生さんの叶えられなかった夢を託す為だったのかもしれない。
俺は彼の夢を叶え、人気アイドルの道を突き進んでいる。
彼には色々とお世話になってるし、彼の期待通り、このままアイドルの道を進むつもりだ。
でも、俺はこれから起きる香波との悲しい別れを知る由もなかった。
(完)
「社長、明日も同時刻にお迎えに伺います」
「頼んだぞ。逢沢」
「では、私はこれで失礼します」
「おやすみなさい。逢沢さん」
俺は愛想よく手を振って逢沢さんを見送った。
「浅見たちに正直に話さなくていいのか?」
「いいんだよ」
俺は素気なく返し、コーヒーを飲む。
「今更、正直に話した所で、何も変わらない」
浅見さん達とはこれでお終いまいだろう。
「コーガ・・・」
「達生さんには色々、迷惑掛けちゃって、本当に申し訳ないと思ってる」
「俺は別に・・・」
俳優一筋で頑張って行こうと思っていた俺にアイドルの道を勧めた達生さん。
彼は所属事務所の社長…元アイドルユニット『ダブル』として活躍した白石臨也(シライシリンヤ)さんの甥。
20年前彼もまた『ギャラクシー』に所属していたアイドルの卵で、デビューを夢見ていた。
でも、彼は怪我が原因で、アイドルの夢を諦めた。
俺にアイドルを勧めたのは達生さんの叶えられなかった夢を託す為だったのかもしれない。
俺は彼の夢を叶え、人気アイドルの道を突き進んでいる。
彼には色々とお世話になってるし、彼の期待通り、このままアイドルの道を進むつもりだ。
でも、俺はこれから起きる香波との悲しい別れを知る由もなかった。
(完)