不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】

いつも頭から離れない。


外観も怖いけど

仕事にはもっと厳しくて

熱意がこもった真剣そうな表情。


食事の席で

『燎次』と私に呼ばれた時に

口角をあげながら

私を熱く見下ろす漆黒の瞳。

お酒を飲む時の妖艶な姿。

タバコを吸う手つき。

私の頭に手を置いた時の

ゴツゴツしているけど

細長くて大きな手。


私には夫がいるのに

こんな事を思っちゃダメなのに

社長にもっと見つめられたいと思い

名前を呼んで欲しいと思う気持ちが

私の心を揺さぶり

『リーナ』と私の名前を呼ぶ

低いけど艶のある社長の声が

鼓膜に響いて纏わりつく。


社長の左手薬指の指輪を見る度に

胸が疼いて苦しくなりそうで

自分が自分でいられなくなりそうで

いけないとわかっていながらも

惹かれて好きになってしまいそうで

社長の大切な奥さんに

私はいつか無駄な嫉妬に

狂いそうになるんじゃないかって

身勝手な欲望がぐるぐるまわって

頭の中が社長でいっぱいになり


……怖くて怖くて堪らなくなっていた。





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