不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】

「………。」

『………。』

シーンとなった控室で

『…あっ、あの…メイク直せました。
では、これでっ…。』

会話を聞いていたスタイリストさんも

気まずそうに慌てて

扉を開けて出て行った。


「……燎次。」

私は立ち上がると

頭をあげた燎次の元に寄り添った。


『……リーナ。』

いつもは鋭い目つきの燎次の表情が

若干柔らかくなっていた。


「…後でまた話…色々聞くから。
だから…聞かせてね?
……私は…燎次と一緒に
生きていきたいんだから…ねっ?」

そう言って

少しつま先を伸ばすと

「…不道徳でも…一生愛してます。」

と、囁いて燎次の唇にキスをした。


燎次は一瞬目を見開いた後

クスッと笑っていつもの表情に戻ると

『…俺も…リーナを
不道徳でも…一生愛してる。』

と、囁いて私に優しいキスをした。





私達は大事な人を裏切って、傷つけた。

決して許されない事だけど

罪や十字架や不道徳を背負いながら

これから私達は神に永遠の愛を誓う。




『…リーナ。』

「…燎次。」




……『「不道徳でも愛してる。」』……






【END】

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