不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
……嘉之さん、本当にごめんなさい。
こんな私を妻にしてくれた事
本当にありがとう……。
長いようで短かったけど
あなたと結婚出来た事を
私は決して後悔していない。
…だけど、私は
彼を…燎次を愛してしまった。
私はあなたと離婚して
燎次の妻になる道を選んだ。
惹かれていき、止められなかった想い。
罪を背負うとわかっていながら
燎次と愛し合ってしまった。
2人で堕ちてしまった…。
「…嘉…之…さん…本当に……。
………ごめんなさい。」
泣く資格なんてないのに
それでも抑えきれなくなった涙の私に
『…さっきの人を呼んでくるよ。
里依奈は夫になったアイツに
綺麗な姿を見せてやらないとな?
僕は君の涙をもう拭えないからね。』
そう言って目の前に立つ
“私の夫”だった柊嘉之は
寂しくも紳士な姿勢で私に微笑んだ後
扉の方へ進んで行き
スタイリストさんを呼びに行ってくれた。