トキトメ
「椛島、お前今日は酔ってたな?」

「すみません」

「でも、終盤はおとなしくかっちゃって」

「仕事の疲れが出ちゃったのかも」

「だから、早く嫁に行けと言ってるだろうが」

「またその話ですか・・・そんなに私を辞めさせたいんですか?」

「いや、そうじゃない。俺はただ、33歳にもなって彼氏の1人もいないお前を心
配してだな」

「ありがとうございます。でも心配ご無用ですから。白馬の王子様が現れてくれる
のを待ちます」

「おまえなぁ、その年になってまだ夢を見てるのか? もう白馬の王子様という年
でもないだろ? 白馬のおじ様なら現れるかもしれないがな」

「ひどーい」

 永澤課長は、御年54歳。

 定年まではまだしばらくあるけど、入社して以来本当にお世話になっている。

 上司だけど、どこかお父さんみたいなところがあって、ずっとここで働いてこれ
たのは、彼がいたからかもしれない。
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