トキトメ
「えーそれではそろそろ時間ですので、前田くんの今後の活躍に期待して、歓迎会
を終了したいと思います。それじゃ前田、最後に一言頼む」

「はい」
 
 課長に言われ、彼がその場に立ち上がり、挨拶を始めた。

「えーっとみなさん、本日は僕の為にこのような席を用意して頂き、本当に有難う
ございました。普段あまりお話し出来ない皆さんとも打ちとける事が出来て嬉しか
ったです。何かと至らない自分ではありますが、これからもご指導のほど、よろし
くお願い致します」

 拍手が起こり、お開きとなった。

「それじゃ、お疲れ様でしたー」

 若い社員は、これから2次会に繰り出すらしい。

 明日は仕事も休みだし、本当なら私もどこかのグループにくっついて朝方まで飲
み明かすところだけど、今日はそんな気持ちにはなれない。

 さっきの事が気になって、とにかく早く家に帰りたいと思った。

「課長、それからリーダー、送りますよ」

「そうか? それじゃ、駅まで乗せてもらおうかな? 椛島も乗って行くだろ?」

「あっ、そうですね。それじゃお願いしようかな」

 私達は、彼の車に乗せてもらい駅に向かった。
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