トキトメ
 彼女から嫌われる可能性は十分にある。

 それでも、自分の気持ちを抑える事が出来なかった。

 彼女から、男性経験が無いと聞いた時は正直驚いた。

 彼女みたいに素敵な女性が、30歳過ぎるまで誰のものでも無かったという事が信じられなかった。

 俺から抱かれながら、どうしたらいいのかわからず必死にしがみついてくる姿に胸がキュンとした。

 彼女を愛している。

 俺が彼女を守ろう。

 そう誓った。



 冷蔵庫から昨日の残りのカレーを取り出した。

 今日はこれを使ってカレーうどんを作る事にしていた。

 麺は帰る途中で調達してきた。

「さてと、では、作りますか」

 自分に気合を入れ、鍋を火に掛けた。
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