† トータル †
「あんなちゃん!?」
「みう?どうしたこんな夜に」
「・・・あたしね、親戚の家、出てきたの」
「は?」
「あんなちゃんこそ、どうしているの?」
「オレ、今みかの家で暮らしているんだ」
「みかちゃんの家で?」
「オレの親も、妹も、亡くなったからな」
「あんなちゃん・・・」
「みかの家、お金沢山あるからさ。
居候しているんだ」
「居候・・・」
「みうちゃん」
美果がニコリと微笑み言う。
「みうちゃん、行くところあるの?」
あたしは首を振った。
「じゃあ、私の家おいでよ。
みうちゃんなら、大歓迎だよ!
ね、あんなちゃん」
「みかの言う通りだな。
みう、来るか?」
あたしは、
2人の優しさに、甘えることにした。
美果の家には、何回も行ったことがあったけど、凄く大きな家だ。
荷物は少なくないから、すぐに整理は済んだ。