『子守唄はTake Five』
「君の親父さんが初めてBarに連れて来てくれた時、客として会うんじゃなかった…って後悔してた。
自分で決めたルール『客と恋はしない』の所為で君への気持ちを封印しなくちゃいけなかったから
君は何も言ってくれなかったけど、俺と同じ気持ちじゃないかと感じたのは…
俺の驕(おご)りだろうか?」
マスターの話しを聞いていて感じたのは…
思いは伝えなければ伝わらない、たまには素直になるのもいいかも知れない。
「…驕りじゃない、マスターのポリシーは理解してたし、
恋煩いなんて私の柄じゃないから直ぐに諦めたの…
この歳になって好きだった人に好きだと思って貰えるなんて
私にこんな奇跡が起こるなんて考えてもみなかった」
ここまで赤裸々に思いを口にして気が付いた…
私以外の客が一人もいないことに…
彼が帰った後に、closeの札を下げたと話すマスターにお礼を言う。