世間知らずな彼女とヤキモチ焼きの元上司のお話

「こんなの別に珍しくもないかもしれないけど……」

「うんうん」

「高校の選択授業で食物取ったんだけど、世界各国のお料理の歴史とかマナーとか色々勉強したのね。で、先生がせっかくだから実習しましょうかって、みんなで料亭に会席料理を食べに行ったよ」

「……おいおいおいおい。高校生が授業で会席料理かよ」

「先生がね、お皿の並べ方とか、出てくる順番とか説明してくれたり……」

「はあ。すげーわ、やっぱり。参考までに、選択授業ってのは、他に何あるの?」

「え、色々」

「例えば?」

「お嬢様学校っぽいのでしょう? ……なんとか流礼儀作法とか、お茶とかお花とか、後、ドイツ語、フランス語、中国語」

「ほえー。礼儀作法。そんでもって、語学充実しまくり。それから?」

「音楽では、弦楽アンサンブルやったり」

「げんがくあんさんぶる……って、何?」

「バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスでの合奏、かな?」

「そんなん教えてくれるの!? てか、楽器は?」

「学校にあったよ。貸してくれるから、家でも練習できるし」

「……へえ~」

「吹奏楽部とかだって、楽器持ってるじゃん」

「まあ、そうだよな、確かに。それは、俺の学校にもあったわ」

「それにね、学校のはそんないい楽器じゃないだろうし」

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