暴走族に恋した私




「ねぇ、王龍の事は嫌い?」







思わずその言葉が、ポロリとこぼれた。



思ってした気持ちがそのまま出てきたって言うのが、正しいと思う。







「嫌いじゃない…。」



「けれど、邪魔なんだよ。」






そういう朔の姿が少しだけ、寂しく見えた。







「邪魔?」



「上のものは、たくさん背負うものがあるんだよ。」






背負うもの?



私にはさっぱり分からない、それに分かろうとも思えない。



好きな人の事は知りたいって思うけど…。



やっぱり、それ以上に怪我をしてほしくない。




最近の私って物凄く我儘だな、友達や好きな人ができただけでも幸せなことなのに。



何でも話してほしいと思ってしまう、一緒にいてほしいと思っている。

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