暴走族に恋した私
「そんな奴を守りたくねっつーの。」
「こいつが百鬼の姫とか、本当に無理だな。」
姫にはならない…百鬼の姫には。
私は男の人の言葉に反応せず、ただその場にたつ。
そんな私を朔は申し訳なさそうに見ていた。
「こいつ選んだ龍王もありえねー、見るめねーよな。」
「前から馬鹿とは思っていたけど。」
見る目ないと思う。
我儘で、理不尽で、聡明でなければ、容姿だってよくない、何一つすぐれているものなんてない。
けど、馬鹿にするのはありえない。
「仁は馬鹿じゃない。」
「話たこともないくせに、想像で語らないで。」
男の人は舌打ちをすると近くにあった椅子を蹴る。
大きな音とともに、遠くに飛んでいく。