暴走族に恋した私



「俺はこの女…いらねぇ。」



「龍、黙れ。」



「ッチ。」





そこから会話は止まった。

しばらくすると、外から無数のバイクの音が聞こえた。



来たんだ、皆が。


そう思うと、また悲しくなって…何もできない自分が嫌になる。




嫌いなんだ自分が。


最初に出会ったあの日から、私は助けてもらってばかりだ。





下を覗けば一階が見える。



外からゾロゾロと幹部のみんなが入ってきた。


その中には巴が居て、巴は怪我をしていなかった。





「よかった。」





小さくつぶやく。


巴にけががあったら、私はどうしようもなく困っていた。



でも安心するのは、まだ早い。


< 249 / 295 >

この作品をシェア

pagetop