暴走族に恋した私
「俺はこの女…いらねぇ。」
「龍、黙れ。」
「ッチ。」
そこから会話は止まった。
しばらくすると、外から無数のバイクの音が聞こえた。
来たんだ、皆が。
そう思うと、また悲しくなって…何もできない自分が嫌になる。
嫌いなんだ自分が。
最初に出会ったあの日から、私は助けてもらってばかりだ。
下を覗けば一階が見える。
外からゾロゾロと幹部のみんなが入ってきた。
その中には巴が居て、巴は怪我をしていなかった。
「よかった。」
小さくつぶやく。
巴にけががあったら、私はどうしようもなく困っていた。
でも安心するのは、まだ早い。