神様の憂鬱
「当たらないよ、バチなんて」

「当たるわよ、それに危ないわ」

心配そうにボクを見ている。

結構優しいんだね、きみは。

そんなことを考えながら、社の上から垂れ下がる足をぶらぶらと揺らした。

「降りなさいってば」

「えー、なんでー?」

「弁財天様に、失礼でしょ!」

「失礼?」

ボクは横を見て、天歌にそう訊いてみる。

天歌は困ったように微笑みながら、

「降りてあげてくださいな」
と言った。

ふむ、キミがそう言うのなら。

勢いをつけてぴょん、と飛び降りた。

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