元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー



「…はぁ。」


先生は小さな溜息をついた後、私の元を離れた。

別に、どうでもいいけど。



「……できた。」



花冠がやっと完成して、喜んだ私。

傍からみたら無表情に見えるかもしれないけど、ちゃんと喜んでる。

…私は、感情を外に出しにくい子供らしい。殆ど無表情。笑った顔を見れたら奇跡に近いほどらしい。そこまで?って思う。大袈裟だって、誰もが思う。だけど、それは本当のことでいたって大袈裟ではないらしい。



「次縄跳びしよっ!」


「やろやろ〜!」


「私もー!」


相変わらず、同級生達の元気な声が聞こえてくる。
どうやら今度は縄跳びをはじめるみたい。



いいなぁ、なんて思わないよ。
だって、別に一人でも寂しくなんてないもの。


「ねぇねぇ」


「…」


「ねーねー!」


「…え、私?」


パッと顔を上げると、私の数センチ先に女の子が。

…知り合いじゃ、ないよね。



「そう、君!桜ちゃんのことだよ!」


目の前の女の子は、可愛らしい笑で微笑んだ。


「…誰、ですか」




人見知りが激しい私は、人と話すことが苦手。だから喋り方も堅くなってしまうし、愛想だって欠片もない。




< 117 / 355 >

この作品をシェア

pagetop