元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「…はぁ。」
先生は小さな溜息をついた後、私の元を離れた。
別に、どうでもいいけど。
「……できた。」
花冠がやっと完成して、喜んだ私。
傍からみたら無表情に見えるかもしれないけど、ちゃんと喜んでる。
…私は、感情を外に出しにくい子供らしい。殆ど無表情。笑った顔を見れたら奇跡に近いほどらしい。そこまで?って思う。大袈裟だって、誰もが思う。だけど、それは本当のことでいたって大袈裟ではないらしい。
「次縄跳びしよっ!」
「やろやろ〜!」
「私もー!」
相変わらず、同級生達の元気な声が聞こえてくる。
どうやら今度は縄跳びをはじめるみたい。
いいなぁ、なんて思わないよ。
だって、別に一人でも寂しくなんてないもの。
「ねぇねぇ」
「…」
「ねーねー!」
「…え、私?」
パッと顔を上げると、私の数センチ先に女の子が。
…知り合いじゃ、ないよね。
「そう、君!桜ちゃんのことだよ!」
目の前の女の子は、可愛らしい笑で微笑んだ。
「…誰、ですか」
人見知りが激しい私は、人と話すことが苦手。だから喋り方も堅くなってしまうし、愛想だって欠片もない。