元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「…で、でもさ!海崎くんが私のこと、どう思ってるのか聞けるよね…!」
恥ずかしさ半分、嬉しさ半分って顔で言うめぐる。
確かに。盗み聞きは良くないけど、海崎くんの気持ちが聞けるかもしれない。
ドキドキと胸を高鳴らすめぐる。
_そんなめぐるに海崎くんは、残酷な言葉を落とした。
「あぁ、アイツな。全然女の子らしくないじゃん。俺、あんな奴無理無理!」
めぐるが固まる。
海崎くんの言葉が、まるで信じられないとでも言うような顔で。
「っめ…、」
「ギャハハ!お前よく言うよな〜!外では王子様とか言われてるくせに!中身極悪過ぎだろ!」
めぐる、と声をかけようとしたけど、男の子の下品な笑い声に遮られてしまう。
「…でもさ、土屋の横にいる、柊って可愛よな。」
__え?
「あ〜、分かる分かる!あれは半端ない可愛さだよな!もう超絶美少女?」
「土屋が惨めだよな〜」
やめて、やめてよ。
なんで、そんなこと言うの?
私はめぐるが心配になり、肩に手をおこうとした。だけど…
「っ触らないで!」
伸ばしたその手は、振り払われた。