元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー





「桜をマンションの下で見つけた時、焦ったのよ!?」


「…大丈夫、だよ」


「大丈夫じゃないの。”もしも”の事があったらどうするの?」



その言葉に私は俯くことしかできない。


いつもは滅多に私を怒らない麗華が、私を怒ってる。


それが、どれだけ心配をかけているのか分かるから。




「……ねぇ、桜…」




また、麗華の弱々しい声が聞こえた。



私は俯いていた顔を上げる。





「マンションの下で、何があったの…?」



私の瞳に映る麗華の顔があまりにも悲しそうで。



「…っ」



息が、詰まる。





< 209 / 355 >

この作品をシェア

pagetop