春夏秋冬、ときめいて
あたしはそこで初めて知った。


本命とうまくいっているからこそのキープであって。


本命がいなくなると、全ての人への興味が無くなったのは、誤算だった。


本命、と言っても、一番将来性があり、あたしの望む「優雅な専業主婦」への近道、という条件を満たしているだけだと思っていた。


だけど、結局のところ、あたしは条件とか関係なく、彼の事が好きだったみたいで。


このまま引きこもるんじゃないか、という位に落ち込んだあたしが、人間不信になりつつもどうにか外の世界と繋がれたのは、花屋の仕事があったからだと思う。


正直、花屋の仕事も始めたのは「男受け」がいいからで。


花なんて、好きじゃなかった。


「お花屋さんで働いてるんだ」


と、言うためだけに働き始めた。
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