春夏秋冬、ときめいて
「あ……一年かぁ」


ふと気がついて思わず声が出る。


あの日から。


ところが、あたしは、そのとある秋の1日を『元カレと別れた日』ではなく『澤井さんと仲良くなった日』として思い出した。


……まぁ、正確には別れて何日も引きこもってから久々の仕事で声をかけられたんだけど。



とにかく。

そんな風に前向きに記憶している自分が何だかくすぐったかった。


終わった記念日より、始まった記念日の方が、いいに決まっている。


と、同時に。


一年も、この状況をどうにもできない自分に驚いた。


澤井さんがフリーなことは、何気なさを装った会話の中でリサーチ済み。


今までの恋愛と違いすぎて、一番戸惑っているのはあたし自身。
< 98 / 122 >

この作品をシェア

pagetop