志ーこころー 【前編】─完─
あたしは手にとった。
「………これ…………。」
胸騒ぎがした。
緑色の本は、あたしが、あのアンティークショップ屋で見つけた本に、よく似ていた。
違ったのは、中の紙が黄ばんでいないことと、薄汚れていないことだった。
間違いない。
あの店で見つけた本だ。
日中にもかかわらず、身の毛がよだつ感覚と同時に、未知の欠片を捕まえたような高揚感に、口元を固く結んだ。
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