中距離恋愛
いかにもホテルマンな男性と、その部下らしき女性が入って来た。

「篠田さま、柳沼さま。
ご婚約、おめでとうございます。
柳沼美冬さんから話を聞きまして…。
早速なんですが、ぜひ当ホテルで式を挙げて頂きたく、パンフレットの方をご用意いたしましたので、ご覧になってください。
私、ブライダルの担当をしております菊池恭介(キクチ キョウスク)と申します」

ホテルマンの男性は、教会と披露宴会場のパンフレットと一緒に、自分の名刺を剛に差し出した。
その後、私にも名刺を渡してくれた。

『スターホテル ブライダル課主任
 菊池 恭介』

と書いてある。

「…同じくブライダル担当の宮本愛(ミヤモト アイ)です」

宮本さんも、名刺を剛に渡す。
菊池さんと同じく、私にも名刺を渡してくれるだろうと思っていたけど、そんなことはなかった。
それどころか、宮本さんは私の方を1回も見なかった。

「きょう…菊池主任、宮本先輩。
お忙しいのに、ありがとうございます」
美冬が菊池さんと宮本さんに頭を下げた。

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