中距離恋愛
「…うん、大丈夫。
お姉さんたちの式が決まったら、全力でやらせてもらうよ」
菊池さんが美冬に優しい笑顔で答えた。

それを見て分かった。
…美冬と菊池さんは恋人同士だと。
葵ちゃんを見れば、笑顔で頷いた。私も頷き返した。
それから葵ちゃんは、視線を宮本さんに向けた。
…好意的ではない視線。睨むように宮本さんを見ているのは気のせいだろうか…


「剛、夏帆さん。
せっかくなんだから、挙式と披露宴の予約しちゃいましょう!」
そう言い出したのは剛の お母さん。
剛のお父さんも、私の両親も頷いている。

私は剛と目を合わせた。
剛は困惑した顔をしている。
きっと私も、同じような顔をしているんだろうな…。
まだ式のことなんて、全然考えていなかったから…

「こんな有名ホテルの式場なんて、もたもたしてたらすぐに埋まってしまうのよ」
「そうよ夏帆。
せっかく美冬が手配してくれたのだから、早めに予約だけでもしちゃいましょう」
「すみません菊池主任。
教会と披露宴会場の空き状況、分かりますか?」

剛のお母さん、私の母、美冬が順に言う。

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