中距離恋愛
「…本当に浮気なの?
じゃあ藤森先輩と別れて、また私のそばにいてくれるの?」
「……………」
「……………」
「……………」
「…違うよね?
大地さん、私じゃなくて藤森先輩を選んだんだよね?
だから嘘をついて、私と会う回数減らして、藤森先輩と会っていたんだよね?」

私は大地さんが否定してくれることを、心のどこかで願っていた。
¨そんなことはない¨と分かっていても…。

だから、
「夏帆、ごめん。
お前より大切な人が出来た。
別れて欲しい」
と言われたら、
「…分かった」
と答えることしか出来ない。

大地さんには、涙を見せたくなかった。
だから、
「…最後にオレンジジュース奢ってくださいね。
さようなら…」
そう言って席を立つ。

ファミレスを出ると、唇を噛んで歩き出した。
涙を堪えようとしても、自然と溢れ出す。
これほど、大地さんを好きになっていたんだ…

この時、泣きながら家に帰る私の姿を篠田さんが見ていたなんて、夢にも思わなかった…



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