CHECKMATE


大通りから一本裏手にあるそのビル。

回廊状の道路の中にあり、その脇に細い脇道が幾つも点在している。
それはまるで、逃げ道を始めから用意しているかのように。

千葉はビル周辺を隈なく見て回り、そして男が入って行ったビルの中へと足を踏み入れた。

ビルの中はどこにでもあるテナントビルのようだが、千葉は少し違和感を覚えた。
それは、人の気配が殆どしないという事。

平日の日中でそれなりの営業時間の筈なのに、すれ違う人すらおらず、唯一見かけたのはビルを清掃している年配の女性1人だけ。

千葉は細心の注意を払って、その女性に声を掛けた。

「すみません」
「……はい」
「このビルは何のビルですか?」
「………さぁ?私にもよく分かりません。1階の占い屋以外は営業してないみたいですけど」
「それでも他の階も清掃されてる訳ですか」
「えぇ、まぁ……これが仕事ですし、ちゃんとお給料頂いてますから」
「……そうですか。お1人で大変ですねぇ」

軽く会釈をし、他の階へ行こうとすると。

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