CHECKMATE
見れば見るほど圧巻の個人データの一番下に、千葉の視線を釘付けにする文字が記されていた。
『(国家機密) 最重要保護対象者・東 夏桜』
「あの、この……保護対象者とは……?」
「………」
千葉の言葉に顔を曇らせた副総監。
その瞳は逸らす事無く、千葉を見据えている。
「彼女は製薬会社で新薬の研究をしていたのだが、それは表向きで、実際は世界的な闇組織『P/S』と『K』に旨い事使われていたらしい」
「えっ?」
「彼女の周りで怪奇現象が起こるようになり、彼女自身にも違和感が起こり始め、元々日本国籍だった事もあり、帰国したと報告を受けている」
「………違和感とは?」
「私も詳しくは知らされていないのだが、身体のどこかが悪いらしい」
「……えっ?」
副総監の言葉で、昨日の彼女を思い出していた。
化粧っ気のない蒼白い顔にマスク装備。
よくよく考えれば、病人そのものである。
国家機密と謳われるだけに、彼女の才能は世界的にもマークされているだろう。
だからこそ、『最重要保護対象者』なのか。
自分に課せられた任を把握した千葉。
深呼吸して、顔を上げた。
「自分は何をすれば宜しいのでしょうか?」