CHECKMATE


18時を少し回った頃、3人を乗せた車はタワーマンションのエントランスに到着した。

千葉が夏桜の荷物を抱え車から降りると、渋々といった表情で夏桜も車を降りた。
すると、

「じゃあ、一輝さん、お疲れ様です」
「おぅ、お疲れ~。また、明日な」

エントランスに2人を残し、剣持は車を軽やかに発進させた。

再び、何とも言えぬ空気が2人の間に漂い始めた。
痛いほどの視線が背中に突き刺さる千葉。
小さく溜息を零し、夏桜の方へ振り返った。

「行こうか」
「………」

千葉の似非スマイルなどお見通しの夏桜はニコリともせず、真顔で千葉の後を追う。


タワーマンションの上層階の一室。
角部屋であるその部屋の玄関戸の前で千葉は彼女へ視線を向ける。

「今日からここが貴女の部屋になります。生活に必要な家具・家電は一通り揃えてあります。このマンションのセキュリティーは万全ですが、万が一の事も考えれますので、何かあれば隣室に声を掛けて下さい」
「……え?」
「隣りは……自分が住んでいますので」
「はっ?!」
「実は元々………―――………」

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