CHECKMATE
――――あくる日の午後
警視庁の特殊チーム『S』の部屋では、更なる作戦が練られていた。
昨夜の状況を把握した上で、水島が女と接触する『Ⅹデー』までの残り3日。
「倉賀野、昨夜のマルツイ(追跡尾行)はどうだった?」
「あっ、はい。U号(車輌所有者照会)しましたが、テンプラナンバー(偽造ナンバープレート)でした。それから、女と会話していた男をB号(指名手配者照会)してみましたが……」
「……違うのか」
「……はい。ですが、マエ(前科)がありました。名前は木内健造(キウチ ケンゾウ)46歳。元・尾島組の構成員で2年前に詐欺罪で逮捕され、執行猶予が付いてます」
「尾島組?しかも……累犯か(繰り返し同じ犯罪を犯す事)」
水島と神保が現場を離れ、千葉と夏桜が女を追い、倉賀野と剣持が男を追っていた。
三國は面が割れている事もあり、車で待機していたのである。
そして、剣持が千葉と夏桜を迎えに行っている間に、倉賀野は男の素性を洗っていたという訳だ。
「それから、女の方ですが、江藤美穂27歳。2つ上の姉がいます。姉の名前は絵里。3年程前から2人で同居しているようです。美穂がクラブ『AQUA』に勤務するようになったのは、1年くらい前からだそうです。それから、姉の絵里には多額の借金があるようで、アパートに何度も取り立てが来ているとか」
「………確定だな。姉の借金の肩代わりを妹がしている訳か」
千葉の言葉にメンバーの顔色が曇る。