CHECKMATE


夏桜の目の前に現れたのは、ルームサービスとは思えないほどの豪華な食事。
しかも、フルーツがふんだんにあしらわれたケーキまで運ばれて来た。

スタッフは手際よくテーブルにセッティングし、深々一礼し、部屋を後にした。
硬直する夏桜の隣りに腰掛けた千葉は、ケーキのロウソクに火を点ける。

「驚いたか?」
「えっと、これは………?」
「今日、誕生日だろ」
「ッ?!」

千葉の一言で思わず身体がビクッと反応した。

「どうして、……それを?」
「フッ。東のデータは機密事項だが、俺は責任者だからな。……特別に把握している」
「………」
「さっきは部下の手前、本当の事を言えずに悪かったな」
「………」

千葉はロウソクに火を点け終ると、手際よくシャンパンをグラスに注ぎ始めた。
そんな千葉をじっと見据える夏桜に、

「安心しろ。これはノンアルコールだから」
「へ?」
「別にホテルにいるからって、お前をどうこうしようなんて考えてない」
「………別に私はそんな事……」
「フッ、顔に書いてあるぞ?」
「えっ?」

夏桜は無意識に頬に手を当て、しまったと後悔した。

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