ある男子高校生の恋愛事情【三井編】
「今日、ご飯なに?」
「オムライス」
ふーん
いたたまれなくなって、台所に付いて行った
「なんか、あったの?」
「……まあ、な」
「そっか」と言って、芽衣子はオムライスが乗った皿をくれた
「出来るの早いな」
「暇だったから、仕込みは出来てたんだ」
ローテーブルにオムライスを置いた
「いただきます」
…口を動かしながら考える
でも考えても
考えても
何て言ったらいいのか分からない
でも、言わなきゃいけない
「芽衣子」
「なあに?」
……こっち、見ない
「山口が、俺と一緒の高校に来るって」
「ふーん」
「で、齋藤は副部長で俺が部長なんだ」
「??だから?」
だから、えと
「俺のこと好きなヤツは俺についてくるらしい」
「へえ」
「だから芽衣子もついてこい」