泣きたい夜には…~Shingo~



ひとみの頬を涙が伝う。


ひとみは俺の涙を指でそっと拭うと、


「慎吾…私のこと…待っていてくれるの?」


その瞳の奥の不安を払拭するように頷くと、


「あぁ、待ってる」


「浮気しない?」


「しねぇよ!お前こそ金髪のイケメンに惚れたりするんじゃねぇぞ!」


「し、しないもん!私には慎吾、慎吾だけだもん!!!!」


そこまで言うと、ひとみの涙腺は決壊し、


「慎吾!!!」


俺の胸に飛び込んで来た。


「お前、本当は行きたいんだろ?アメリカに」


泣きじゃくりながら頷くひとみに、


「頑張って来い!俺も頑張るから」


何度も頷くひとみを腕の中に閉じこめた。


腕の中で号泣するひとみを、始めはややこしくて面倒な奴だと思っていた。


でも、今はそんなところも愛しい。



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