泣きたい夜には…~Shingo~



いくら取引先の医者とはいえ、まだ26のガキ。


誰だよ、落ち着いた雰囲気で年上じゃないかなんて言ってた奴は?


さすがの俺も我慢の限界。


取り上げた缶ビールを一気に飲み干すと、


バンッ!!!!


空き缶をテーブルに叩きつけるように置いた。


「いい加減にしろ!これ以上飲んだら体壊すぞ!もっと自分を大事にしろっての!お前、医者だろうが!!!!」


さっきまでの敬語はどこにもなく、思いっ切りブチ切れていた。


彼女は俺に鋭い視線を向け、声を荒げた。


「あなたに…私の気持ちなんて…わかるはずないでしょ!!!?」


悲しみを湛えた瞳は今にも溢れてしまいそうで、


「わかるよ。向井先生が坂田教授の娘と結婚するからだろ?」


彼女はほんの一瞬目を大きく見開き、驚きの表情を見せたが、喉を鳴らすようにクククと笑い出した。


「なーんだ、知ってたんだ」


ポツリと言うと天を仰いだ。



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