泣きたい夜には…~Shingo~
「そんなところに突っ立ってないで座れば?」
ひとみは相変わらず不機嫌なままだが、
「たくさん食べてね」
ご飯を茶碗に大盛りによそうと、目の前に置いた。
そうは言っても、
「お前、いくら何でもこれは…作り過ぎだろうが!」
テーブルの上には、俺の好きな料理が所狭しと並べられていた…。
どんだけ作ったんだよ…。
ひとみは眉間に深いしわを寄せて、
「そう思うなら、しっかり食べなさいよ。全部食べないとこの部屋から出さないから!!!!」
お、鬼…
だが、空腹を抱えた俺は、ひとみの視線を気にもかけずに次々と料理を平らげていく。
「美味い!せっかく作ったんだから、早く食べないと俺が全部食っちまうぞ!」
そんな俺に、不機嫌だったひとみの顔が呆れ顔に変わった。
「全く…本当に美味しそうに食べるんだから…子供みたい」
「いいじゃねぇかよ!美味いものは美味いんだから」
そんなやりとりをしながら、料理はあっという間になくなった。
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