夢のような恋だった



【ゲーム会社の方との顔合わせの日が決まりました。
作家さんは葉山さんの他に中地先生と一ノ瀬先生とが来られます】


山形さんからのメールに、おお、と思わず呻く。

中地先生は人気シリーズの【くまさんの台所】を書いてる先生だ。
イラストのタッチもほんわかしていて私も大好き。

結構大先生も参加するんじゃないかと思ったら妙に気遅れてきちゃう。


一ノ瀬さんは山形さんが担当している同年代くらいの作家さんで、前に一度会わせてもらったことがある。
ふわふわした髪の優しい雰囲気を持つ女性だ。
作品もその人柄そのものの優しい感じ。妖精とか不思議な世界を書くのが得意な先生だ。

顔合わせは簡単な食事会を計画しているらしく、集合場所は私のよく分からないお店の名前だった。

その旨を書いて返信すると、山形さんが駅前まで迎えに来てくれるという。

助かるなぁと思う反面、どうも私は人に頼り過ぎだなぁと思う。

こんなのスマホで地図検索すればいけないわけでも無いのだろうけど。
昔からお父さんがすぐ迎えに来てくれたせいか、見知らぬ場所を一人で動くのは苦手だ。


まあいいや。
顔合わせの日までにもう少し話を詰めておこう。


見知らぬ人と話すネタをあまり持たない私としては、仕事の話が一番し易い。



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