夢のような恋だった
*
そして顔合わせ当日。
たまたま本屋にやってきた草太くんが、「今日行ってもいい?」と聞くので私は首を振る。
「何か今日あんのか?」
「言ってなかったっけ。仕事の顔合わせ」
「最近なんか描いてたやつ?」
「そうそう」
草太くんは、私の仕事にはあまり関心がない。
絵とかそういうものがそれほど好きじゃないのだろう。
いつも遠目に眺めて、私が終わらせて近づいてくるのを待っている。
聞かれないから私も言わないってのが基本スタンスだ。
「今日は遅くなるから、来ないでね」
「ふーん。じゃあ明日行くな」
「うん」
タンパクとも思える会話を交わし、草太くんは帰っていく。
信じてさえいれば、彼は優しい。
茂くんが余計な情報さえ私に吹きこまなければ、私達はそれなりに順調に過ごしている気がする。
そして一度家に帰って、メイクを直して着替えをした。
薄いピンクのワンピースに半袖の白いカーディガン。
一応仕事関係だし、ちゃんと見えるレベルの服装をしなくちゃ。
待ち合わせの時間に合わせて指定の最寄り駅まで来ると、先に来ていた山形さんが手を振って迎えてくれる。
「葉山さん、こっちですよー」
山形さんはポロシャツにスラックスといういつもの格好だ。あんまりかしこまりすぎたかな、と逆に焦る。
そして顔合わせ当日。
たまたま本屋にやってきた草太くんが、「今日行ってもいい?」と聞くので私は首を振る。
「何か今日あんのか?」
「言ってなかったっけ。仕事の顔合わせ」
「最近なんか描いてたやつ?」
「そうそう」
草太くんは、私の仕事にはあまり関心がない。
絵とかそういうものがそれほど好きじゃないのだろう。
いつも遠目に眺めて、私が終わらせて近づいてくるのを待っている。
聞かれないから私も言わないってのが基本スタンスだ。
「今日は遅くなるから、来ないでね」
「ふーん。じゃあ明日行くな」
「うん」
タンパクとも思える会話を交わし、草太くんは帰っていく。
信じてさえいれば、彼は優しい。
茂くんが余計な情報さえ私に吹きこまなければ、私達はそれなりに順調に過ごしている気がする。
そして一度家に帰って、メイクを直して着替えをした。
薄いピンクのワンピースに半袖の白いカーディガン。
一応仕事関係だし、ちゃんと見えるレベルの服装をしなくちゃ。
待ち合わせの時間に合わせて指定の最寄り駅まで来ると、先に来ていた山形さんが手を振って迎えてくれる。
「葉山さん、こっちですよー」
山形さんはポロシャツにスラックスといういつもの格好だ。あんまりかしこまりすぎたかな、と逆に焦る。