ジャスミン
ガッ…ザザーッ
『へ?えっちょっと…⁉︎』

『ごめん…もう無理、我慢できそうにない。』

『我慢って…⁉︎』

再び茉莉は颯太郎に抱えられ浴室を出ると、バスタオルに気休め程度で身体から水分を吸い込ませると寝室へと運ぶ。


ベッドに茉莉の身体を預けると、颯太郎も彼女に跨るように乗る。そんな颯太郎をジッと見つめる茉莉。

身体の両サイドに手をつき、暗がりの中で月明かりに照らされた茉莉の姿に息をのむ。

『キレイだ。』

颯太郎は呟くと、茉莉の顔に影をつくるように近付いていったーー。


『はっあん、はぁぁっ…。』

何度も『愛してる。』と繰り返し囁き合い、身体を重ね合わせる。まるでそれは絶えることない泉のように溢れ出て二人を溶かしていく。

これから先の未来も二人でいられるように願いながら、力尽きるまで互いに強く抱きしめ合う夜が静かにふけていったーー。
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